陸自特自合同フェスタ お台場2005


さる1月26日に、お台場で開催された陸自特自合同フェスタ2005に行ってまいりました。
合同フェスタは、夏に行われる陸自の火力演習などと違って
実弾の発射訓練のない装備展覧会のような催し物ですが、
この日にしかお目見えしない特殊装備を一目見ようというファンが全国からおしよせ、
平日の開催ながら驚くほどの大盛況でした。


午前10時、フェスタ開催。
一番手に土煙を上げて観覧席に向かって走ってくるのは、
イラク派遣部隊のおかげでテレビに映ることの多い陸上自衛隊普通科部隊の軽装甲機動車。
後に続くのはメガフォースのタックコムそっくりの82式指揮通信車。


こちらは93式近距離地対空誘導弾(近SAM)搭載の高機動車。
右隅の普通のトラックみたいのは96式多目的誘導弾搭載の高機動車。
高機動車はこう見えて幅が2m以上もある大きな車で、中の人が子供みたいに小さく見えます。
その向こうにあるのジープ風の車両は73式小型トラック。


会場脇に停車していた82式指揮通信車。
行進に参加しなかったのは故障中なのか、なにか別の任務を遂行中なのか。


82式指揮通信車2台に続くのは73式装甲車。
観覧席の最前列が取れたので一番間近で見ることができましたが、
後列に比べて位置が低いので手前の車両に奥の車両が隠れてしまいやすく、
撮影位置としてはあまり良くなかった気がします。


89式装甲戦闘車。
兵員輸送もできる、35mm機関砲を装備した普通科の戦闘車両です。
見た目は貧弱ですが、砲塔のわきに79式対舟艇対戦車誘導弾を装備したツワモノ。
お値段もツワモノで、奥に見える90式戦車とそう変わりません。


陸上自衛隊の誇る機甲科のMBT、90式戦車。
フェスタでは実弾発射の演習はないので、主砲発射時の”大音響”を聞くことはかないませんでしたが、
50tもある物体が軽快に動くさまは、それだけで圧巻です。
今回は最新装備のみということで、残念ながら74式戦車は参加していませんでした。





90式戦車が観覧席から見えなくなると、陸自東部方面音楽隊による大ファンファーレ、
それにつづいて伊福部昭作曲「スーパーXのテーマ」の演奏が始まりました。





陸上自衛隊 スーパーX2 + AH-1編隊

対特殊生物用の兵器ながら特自ではなく陸自に所属するスーパーX2。
遠隔操作で作戦を遂行する、全長34m全高11mの無人空中移動要塞。こんフェスタの目玉の一つです。
遠隔操作のノウハウは後に特自によって最大限に活かされることとなりました。




スーパーX2の後は、いよいよJ.X.S.D.F. 特生自衛隊の出番です。
特生自衛隊 第一機動団 第一メーサー群の、90式メーサー殺獣光線車の入場です。
メーサー車は1966年に襲来したサンダ・ガイラに対する特殊生物殲滅用兵器として
開発された装備で、マイクロウェーブを照射して標的の水分を瞬時に蒸発させて
破砕する恐るべき兵器です。当時は陸上自衛隊が運用していましたが、
のちに発足した特自に引き継がれ、今では特生自衛隊独自の装備となっています。


このあとは八王子から”アレ”が飛んでくる予定なのですが、
その到着までの間に観客席前に陸自と特自の装備が一堂に会します。
特生自衛隊はもともと陸自から派生した隊ですし、特殊生物殲滅作戦遂行時には
常に連携作戦が取られるため、このようなツーショット(?)自体はそう珍しくはありませんが、
こうして目の前に並ぶとやはり壮観です。
陸自東部方面音楽隊のスタンバイも完了。
指揮者が指揮棒を一振すると同時に、音楽隊が大島ミチル作曲の「MGのテーマ」を高らかに奏でます。

観客席の上のほうにいる人が、双眼鏡を覗きながら遠くを指さしてなにか言っています。
…来た?


特生自衛隊 第一機動団 第一機龍隊所属の三式機龍が、
八王子の特自駐屯地格納庫からAC-3しらさぎ2機に吊り下げられてお台場に飛来。
空中で切り離すような無茶はせず、しらさぎによって静かに着地します。
静かにといっても、4万tという大重量物ですから、その振動は100mちょっと離れた
この観客席にもダイレクトに伝わってきました。
つーか、埋立地であるお台場の地盤がもつのかちょっと心配です。


着陸地点から、ゆっくりとこちらに歩いてくる機龍。その滑らかな動きは生物を思わせます。
三式機龍は無人機で、しらさぎ内にいるオペレーターによって操縦されているロボットです。

開けたところでは、身長60mの機龍も比較対照物がないのでそれほど大きく見えません。
むしろ小さく見えるくらいです。
しかしながら、それが足音を轟かせてこっちに向かってくるとなると、
その迫力にそんな印象も消し飛んでしまいます。しかも一向に止まる気配がないので、
もしかして止まらないのか?とだんだん不安になってくるのでした。
過去に暴走事故を起こしてますしね。
観客席から50mほどのところでやっと停止。観客席のあちこちで安堵のため息が漏れます。
その直後、機龍は観客席に向かってお辞儀をしたのですが、
それが上半身からこっちに倒れてくるような動きだったため、観客席はプチパニック状態になりました。
やはり目の前に来ると、その威圧感はすさまじいものがあります。


三式機龍と90式メーサー車。
最後は観覧席を離れて近くまで見にいけるようになりました。

特自の戦闘用の装備は実のところこの2種類とAC-3しらさぎだけで、戦車や攻撃機などはありません。
特自は有事における防衛出動や治安出動などが禁じられている部隊ですので、
一般兵器はそういった制限のない他の部隊に配属され、特殊生物が現れたさいには、
特自と合同でこれにあたるのが通例となっています。

以上、陸自特自合同フェスタ2005レポートでした。
来年もまた来たいです。



注:
もちろんレポートは
嘘八百でそんなフェスタは実在しませんが、
自衛隊装備、および東宝特撮マシンの設定に関しては資料をあたって調べて書きました。
特生自衛隊の設定は映画「ゴジラ×メカゴジラ」に準じていますです。
あと一番最初の人だかりは「ジャパンクラシックカーミーティング」のものです。
どこにもこれが「合同フェスタ」のものだなんて
書いていないので問題ないと思いますが(笑)いちおう。


KONAMI陸上自衛隊装備大全第壱弾 (1/144)

コナミ公式サイト
コナミから発売された、陸上自衛隊の装備をフィギュア化した食玩です。
ぶっちゃケワールドタンクミュージアム(以下WTM)の後追い企画なわけですが、
「タンク」ではない装甲車や自走砲などまでをフィギュア化しているのが嬉しいところです。


75式自走155mm榴弾砲    82式指揮通信車


89式装甲戦闘車    73式装甲車

できのほうはというと、まー見てのとおりなわけで、WTM初期のものに比べても
そうとう遜色のある仕上がりとなっています。
これはどうやら造形に問題があったわけでなく、量産時に崩れてしまったもので、
さらに組み立て不良なども重なって悲惨なことになってしまったようです。
色もおかしいしね…。
海外生産のコントロールって難しいものですな。
逆にいうとWTMはそういうことろでも凄いんだというのがわかるわけです。
ちなみに上の嘘八百レポに登場した90式戦車とAH-1はWTMのものです。
装備大全にも90式とか74式はあるのですが、やっぱり成型がトロトロなので使用しませんでした。
こういうのっておそらくメカものフィギュアに特有のもので、
美少女フィギュアなどなら多少のディティールの甘さは問題にならない
(むしろ塗装に重点が置かれそう)のではないかと思います。



 
いちおう作っては見たものの、成型のトロトロ具合をごまかしきれずにボツったデジラマもここで紹介よ。

こちら、
装備大全の造形師さんのブログ。実のところかなり精密に作られています。
第弐弾はかなりシャープに抜けるようになったそうで、期待の出来る仕上がりとのことです。わーい。
いちおう第参弾まで確定、第4弾も企画中とのこと。今後はヘリも含まれるようで、非常に楽しみです。

ただ、イラクの自衛隊になにかあった場合には発売自粛となることもありうる、なんて話もあるので、
日本国民としても、フィギュア好きとしても、イラク派遣部隊の無事を祈るのみです。

キャンバス 陸自車両 (1/72 1/90)

キャンバスさん、どうも自社サイトをお持ちでないようで、いささか謎のメーカーであります。
こちらはカプセル状のケースに入っているブラインドフィギュアシリーズ。
2004秋発売の予定だったものが延びて、つい最近発売になりました。
ラインナップは装備大全よりもさらに地味で、高機動車や73式小型トラックまであります。
こういう方向性は嬉しいです。
怪獣のデジラマのデコレーション用に前からこういうの欲しかったんですよ。



高機動車(96式多目的誘導弾搭載型)高機動車(93式近距離地対空誘導弾搭載型)


73式小型トラック(幌付き) 73式小型トラック(幌ナシ)


軽装甲機動車(海外派遣仕様) 軽装甲機動車(国内仕様)


82式指揮通信車

フィギュアの出来のほうはというとこのとおり、装備大全に比べて
かっちりしたよい出来ではあります。しかしそれもそのはず、
両者はこのとおりスケールがまったく違うのでした。


こうして見ると、陸自車両は大味な感じ。装備大全の方がディティールが細かいことがわかります。
並べてみるとまさにタック=コムみたいなことに。
左がポスターやパンフの絵、右が実際、みたいな。
(わかる人だけわかればよいので気にしないでください)


また、「陸自車両」の中でもスケールが分かれており、並べてみるとこういう感じ。
どうも”フィギュアの幅をそろえる”というような基準でスケールを決めたみたいです。
「陸自車両」のフィギュアはミニカーよりもひとまわり小さいくらいのサイズがあり、
タイヤがコロコロ転がる仕組みなのもミニカーっぽいです。
またサイドミラーやアンテナなどの突起は全てゴムのような素材でできていて、
壊れにくく安全性のあるものになっています。わりと子供向け?
小さい頃から自衛隊好きになるよう英才教育するのに良いフィギュアですね。
ちなみにそのアンテナはスケール的に太すぎで撮影の邪魔なのでほとんど切除してしまいました。


バンダイ 東宝マシンクロニクル2

今回は近代兵器に重点を置いたラインナップ。
今回紹介した以外に「GMK」の潜航艇さつま、「惑星大戦争」の轟天があります。
嬉しいのは機龍がらみの90式メーサーとしらさぎがフィギュア化されたこと。
私にとって3者夢の競演が果たせました。感無量なのさ。

フィギュアのできは甘々。装備大全よりもさらに溶けてます。パーツの隙間も珍しくなく、
墨入れもいいかげんでゲンナリなんですが、それでもそれが装備大全のときよりも気にならないのは、
やはり無意識のうちに装備大全をWTMと比べて見てしまっているからなんでしょうね。



スーパーX2
単色の楕円形の物体なので、遠目に見ると石コロみたい。(ぉ
「ゴジラVSビオランテ」にでてきた陸自の対G兵器で、
ゴジラの放射能火炎を増幅して跳ね返すという捨て身の技を持っています。
誰だそんな無茶なこと考えたのは。
スーパーX2はなぜか1000mの深海まで潜れる潜行能力を持っているらしいですけど、
そんな電波も届かないところにあるものをどうやって遠隔操作するのかまったく謎なスーパーメカ。


パーツ差し替えによってスペルゲン反射光を開いたモードを再現できます。



90式メーサー殺獣光線車+牽引車
サンダ対ガイラに出てきた元祖メーサー車のリファイン版。
いわゆるメーサー戦車と違って牽引されているのがツボであります。
ゴジラが迫ってきた際にも後退できない(Uターンしないといけない)という恐ろしい仕様ですが。


メーサーのパラボラを支えるアームは可動式で、このように差し替えナシで収納される仕組みです。
クロニクル1もそうだったけど、メーサーだけは本気で作ってますな。(笑)




AC-3 しらさぎ
「ゴジラ×メカゴジラ」「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」に出てきた、
特生自衛隊の擁する機龍運搬&サポートVTOL機。
1機で2万トンもの重量を軽々持ち上げられる驚異のペイロードを持ったスーパーメカです。
2万トンという重量は90式戦車400両分にあたり、
体重60キロの成人男性なら33万人を一度に運べる、
といえばその推力がいにすさまじいものか、お分かりになるでしょう!!!



リアビュー。パーツ隙間だらけ〜。
機体下部にある穴にパーツを差し込むことで、
機龍運搬、マイクロウェーブ中継、そしてパッチを閉じた状態をそれぞれ再現できます。
墨入れがあまりにい加減なので、


この画像では、レタッチして墨入れをしなおしています。
また機龍(バンダイのムービーモンスター)も墨入れしてディティールアップしました。
しらさぎはまあ良くなったというレベルですけど、
機龍はそのおかげでもはやソフビに見えないほどの仕上がりになりました。
それにしても、銀色のものを合成するのってホントむずかしーです。
これと、その前の運搬中の機龍の色補正にやたらと時間がかかりました。



2005年2月6日 13:38:28
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